（加入当時は歌やダンスが未経験だったので
すごく叱られていて最初の秋ツアーの練習も
本当に時間がなくて愛生ちゃんが1時間で
マスターできることを7～8時間かけても上手く
できなかったと話して･･･）

――絶望しますね、それは。

北川　自分が情けないんですよ。自分に
腹が立つ。「こんなにも私って何もできない
人間なんだ」って悔しくなりますし。誰よりも
練習時間を多くしているはずなのに、一番
怒られるのは私。みんなについていけないから、
「北川は外れて。こっちで練習していなさい」
とか1人だけ別行動をさせられたり･･････。

――そう考えると、北川さんの成長ぶりは
すさまじいですね。

北川　最初がひどすぎたので（笑）。
レッスンではいつも怒られていたんですけど、
特に印象に残っている出来事があるんです。
その日は学校の関係で愛生ちゃんと
岡村ほまれちゃんが休み。15期は私1人
だったんですね。小田さくらさん、野中美希さん、
加賀楓さんの3人が先生役で私1人を見て
くれて。そこで自主練でやってきた踊りを私が
披露したら、その場にいた3人の顔が一気に
曇ったんです。「･･････この子、ヤバくない？」
って。でも、私は何がヤバいかもわかって
いない状態。なんなら最大限を出し尽くした
つもりでいましたから、あのときの3人の
唖然とした表情は忘れられません。

――そんな劣等生みたいな扱い、人生で
初だったんじゃないですか？

北川　ホントそうなんですよ。それまでは
周りがチヤホヤ甘やかしてくれて、お姫様
みたいに育ってきましたから。毎日のように
怒られているうちにどんどん落ち込んでいって、
気づいたら自分の意志とは関係なく涙が
流れているんです。1人きりのお風呂の中で、
よくメソメソ泣いていました。友達にも親にも
同期にも会社の人にも相談できず、1人で
抱え込んでいましたね。