――現役時代と生活が変わったことで、何か気づいたことはありましたか？

正直、自分の意見の無さに気づいて驚きました。

私はモーニング娘。の活動の中で、自分の意見をわりと発しているつもりだったんですけど、それって今思うと「はーちん」としての発言だったなって思って。
キャラを作っているつもりはないけど、どうしてもファンの方々から求められてる答えを出すみたいなことが染み付いちゃっていたんです。

今までの私は、アイドルとしての個性って感じで、人としての個性や意見がなかったんですよね。
髪色とかも決められてプロデュースしてもらっていたので、卒業してなんでも自由にしていいってなった時に、やりたいことも思ったこともないなって感じで……。

――そうだったんですね。なんだか意外です。

学校の授業の履修を自分で組むのもすごく難しくて。やりたいことがあって大学に入ったのに、いざとなったらどうしたらいいんだろうって。
誰も教えてくれないし……。「担任の先生いないの？」みたいな感覚でしたね。

バイトも友達がいるから始めたって感じだったし、自分で考えて決めるってことが苦手でした。それでも、発信することや人と話すことはすごく好きだなって強く思っていて。
YouTubeに関してはグループでやるという話もあったんですけど、「自分の色を見つけたい」という思いから1人でやることにしました。

――そうだったんですね。

それと、現役の時は本当に事務所に守ってもらっていたんだなということにも気づきました。もう改めて感謝の気持ちでいっぱいです。

というのも、個人で活動するようになってから大人が怖いって思うことがめっちゃ増えたんです。
「プロデュースする」って言ってお金を騙し取ろうとしてきたり、SNSであまり良くない話を持ちかけてきたり……。現役の時にそういうのがなかったのって、事務所がきちんと管理してくれていたからなんだって気づきましたね。
具体的に、どのように管理してもらっていたんですか？

SNSやブログは投稿する前にチェックしてもらったりとか、外に出る前に必ずワンクッションあったんです。
今はそういったことがないので、逆に言おうと思えばなんでも言えちゃうし、逆になんでも言われるし。ファンの人の声もアンチの人の声もダイレクトに届いちゃうんですよね。

でも、良いこともたくさんありました！現役の時はモー娘。内にしか友達がいなかったんですけど、今はSNSで声を掛けて友達になった子もいるし、自由に色々な人の意見を聞くことができるようになったので、今が一番楽しいです！
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