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和田彩花「自分がなんのためにアイドルとして活動して、なんのために生きてるんだろうと考えるようになりました」
投稿日 2021年2月7日 10:00:01 (ハロプロまとめ『カラフルxハロプロ’17』)
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佐々木 和田さんはハロプロで約10年間アイドルとして活動されてきましたが、その中でだんだんと今のご自身ができあがっていったわけですよね。意識的に大きく変わるきっかけが何かあったんでしょうか?
和田 一番は、デビューして1年でメンバーが半分辞めちゃったことですかね。幼いながらにファンの存在をすごく自覚した出来事でした。メンバーの卒業が発表されるたびに、大人のファンの方々が泣いてるんですよ。
「私たちみたいな子供に対して、こんなに泣くの?」という驚きがありました。でも自分たちがそれくらい影響力を持っているんだとそこで自覚して。
それと同時に、当時は辞めていったメンバーに対して自分勝手だなって思ってしまったんですよ。「グループのために一生懸命サポートしてくれるスタッフさんだったり、応援してくれてるファンの人たちがいるのに、そんなにすんなり辞められるんだ」と。
私は1回スイッチが入るとのめり込んじゃうタイプなので、がんばろうと決意した矢先にメンバーが辞めてしまったことにすごくショックを受けて……それからは、「自分は辞めずに、ファンのために活動していこう」という思いが強くなりました。
でも、その考えにはいろいろな側面もあるじゃないですか。佐々木 いろいろな側面というと?
和田 「ファンのため」って考えすぎるあまり、いわゆる“アイドルらしさ”に縛られてしまう部分もあるし。
そういうことに気付いたのは10代後半なんですけど、それまではとにかく「自分のやるべきことはみんなを笑顔にすることだ」とずっと思っていました。佐々木 アイドルの加入と卒業には1人ひとりの事情や物語があると思うんですが、和田さんが今おっしゃった、ファンとどんな関係を結んでいくかというのは大きなテーマですよね。
「ファンのためにがんばります」という気持ちは正しいし、本当に純粋にそう思ってるんだろうけど、「ファンのために」と過剰に思い込んだり、それが義務感のようになってしまうと歪みが生じてくる。和田 本当にそうですよね。スマイレージは華々しくデビューしたのに1年の間にメンバーの卒業と加入があって。そうするとファンの人数が目に見えて減っていくんです。
「ファンが離れるってこういうことか」とすごく思って、その分ファンの皆さんに好きになってもらうことばかり考えてましたね。和田 でも、その後、新メンバーが入ってアンジュルムに改名したら、一気にみんなに注目されて、思いもしなかった大きな会場でいきなりライブができたりして。
大衆の意識を感じたというか、「それって今までやってきた活動とどこかで切り離されてない?」と疑問に思ったんです。「ファンのために」という無邪気な気持ちが、「ファンって、じゃあ実際はどんな人たちなのか」「私たちの活動が本当の意味でその人のためになっているのか」と徐々に変化していったんです。
ある時期から自分がなんのためにアイドルとして活動して、なんのために生きてるんだろうと考えるようになりました。南波 確かにちょっとしたきっかけでそんなふうにグループを取り巻く状況がガラッと変わってしまうと、ファンのためとはいえこれまでのことはなんだったんだ?という気持ちになりますよね。
それだけを拠りどころにするには不安定すぎる。和田 ですね。私も握手会とかで「ずっと辞めないでね」って言われたりしたんですけど、そうすると「そうか、辞めたらみんな悲しむんだな。やっぱり辞めちゃいけないんだ」と思ってましたし。
佐々木 葛藤がどんどん芽生えていきますよね。ファンのために、例えばチャートで1位を取るとか大きな会場でライブをやるとか、数で見えるような具体的な成功を目的にしてしまうと、実現できなかったらダメだったということになってしまう。
最終的な目標が数字や規模感だけになってしまうのは、アイドルと言われる10代の人たちにはヘビーすぎる気もします。
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Source: ハロプロまとめ『カラフルxハロプロ’17』
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